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神宿りの木    沙希編 1

 

 

運命なんて言葉は嫌いだ

それと同時に

運命が存在していることを、私たちは知っている

 

 

 

クイーンから入った緊急の通信は、信じられないものだった。
真人が天地平定時の結界を超え、地下へ降りて来たというのだ。

ちょうど考仁と瑛人の自室を訪ねていたので、3人揃っていた。
私たちは同時に立ち上がった。瑛人の様子も視界に入れる。
勝手に起動した立体モニターの中にいるクイーンは、珍しく焦った顔をしていた。
結界の番人である彼女だからこそ、この事態を察知出来た。


「監視がついていたはずよ?奈義と祐介はどうしたの。」
『吉田太陽から離れられず、御司守が引き継いでいたけれど、姿が消えたらしいの。センサーやカメラからも。
こんな真似が出来るのは―・・・。』

 


言葉が最後まで紡がれる前に、私と考仁は部屋から飛び出した。
私たちは全員同じ事を思ったに違いない。
部屋を出る直前、瑛人が通信端末を起動したのを見た。
真人には、本人と周囲にばれないように監視をつけてある。
幼い頃から友人のフリをした護衛二人もつけてあった。
監視の目から逃れようと、町中に設置したカメラやセンサーで常に追っていた。
どこにいても隠れられない体勢を組んでいたが
彼らの目を欺ける存在が唯一存在する。
シンだ。
耳にイヤホンを入れ、5階層の非常用出入り口を乱暴に蹴り開け綴守から外に出た。


『情報来た。真人が入ったと思われるマンホールは北区94番通路口。センサー未設置の区域だ。』
「大丈夫よ、瑛人。真人にはどの生物も傷つけられない。シンもまだ目覚めていない。すぐ迎えに行くから。」
『・・・一番近くに8班がいる。最優先で保護させる。』

 


通信がブツリと音を立てて切れた。
前へ前へ進む足が絡まりそうになる。
頭の中は線がぐちゃぐちゃしていた。
口で瑛人をなだめておきながら、私の心も大分乱れて焦っている。
想定したいなかった事態。起きるはずもないと思っていた現実に、わかりやすくパニックになる。
ただ、足だけはひたすらに動かし続けた。

 


「どうして地下に降りたの・・・誰が導いたの。何で―・・・、」
「落ち着け。原因は後回しだ。まずは真人を確保する。」
「実際会えるの、何年ぶりかしら。
どうしよう。何も考えず飛び出してきてしまった。何を話せばいいの?話していいのかしら。」
「沙希、」
「ねえ考仁、私、どうしたらいいの。」

 

真人を保護する事だけに心を奪われていたが、時間が経つにつれ、様々な問題が浮き彫りになる。
運命が、私たちが恐れていた運命がすぐ側まで来ている。
鼻先で漂い、触れる場所まで迫って来てしまっているという焦り。
ずっと恐れていたもの。私たちが幼い頃から必死に避けようと準備してきた瞬間が、ついに訪ねてきたのだ。
イヤホンから再び瑛人の指示が入る。8班の面々が無事真人を保護したようだ。
走っていた通路を抜け、別の通路を目指す。
困惑し、だらしなく眉を歪めた私の横顔をチラリと見て、考仁は前を向いた。

 


「まだ泣くな。一番混乱しているはずの瑛人が冷静に動いているんだ。」
「うん、ごめん。」
「ひとまず、8班の面々がいる前では、あくまで迷い人を保護する他人だ。いいな。」
「わかった。」

 


目尻からこぼれた涙を乱暴に拭う。
真人との再会は、淡々としたものだった。
綺麗な部屋でも地上でもなく、寂れ汚れた地下第一層。
背が伸び精悍な顔立ちになった真人に見つめられた時、指先が震えた。
声が震えぬように冷静を装うのに必死だった。
目が合う喜びをずっと待ち望んでいたのに、この時が来てはならなかったと頭の隅で嘆いた。
言葉を交わしたいとあんなに望んでいたのに、叶ってはならない夢だったと痛感する。

 


最悪の事態が目の前まで来てしまっている。
もう運命の走り出しは止められない。
守らねばならない。
大切なものをすべて。
そのために、私たちは走り続けてきたのだ。
人並みの幸せを犠牲にして。

 

 


 

 

鮮やかな尾が水面を蹴ったように見えた。
赤い体をくねらせて、金魚は優雅に泳いでいる。
目線を前に戻すと、よそ見をしていたことが水縹元老院議員椛田に見抜かれていたようで、沙希にだけ分かるように肩を揺らしてみせた。
仕方なく会話に意識を戻す。


「―とのことで、死傷者6人。被害は米俵3、他約30人分の食料。」
「お主のところの警備はどうなっているんだ。戸を全開にしてわざと招き入れているのではないかと疑うぞ。」
「ご冗談を。火群や水縹と違い、我ら空木の実行部隊は人数も能力も劣っておりますし、人名を常に優先するよう申しつけておりますので。」
「さっさと深梛一丸となって赤畿を討伐すべきです!」
「それでは奴らに深梛に刃を向ける理由を与えるようなもの。過去の歴史で赤畿の厄介さは―」
「待ちなさい。赤畿への対処より先に、迷い人の処分を決めなくてはなりません。」

 


まるで生産性のないだらだらと続く言葉の応酬を止めるのも、椛田の役目であった。
彼女の決して強いわけではない声音は岩に囲まれたこの地下審議場ではよく響いた。
元老院全員の目が、呼び出されていた沙希に向けられた。


「珍しく<シンジュ>石の能力を発現させたとか。」
「実行部隊の人員不足は常。問題はないでしょう。」
「異議なし。」

 


全員が頷いたのを確認してから、椛田は両の手を膝に乗せてから沙希を再び見た。
その双眸に含まれた言葉も、沙希には届いていた。

 


「雨条総隊長、迷い人の実行部隊入りを許可します。十分な説明と猶予期間を経てから、後の編成は任せます。」
「承知いたしました。」

 


お辞儀をした頭を上げた時には、もう彼らの興味は別の議題に移っており、ああでもない、こうでもないと言葉の応酬が始まる。
屁理屈を並べて、時間を消費しているだけの無駄な口論だと皆気づいていて、自分たちにはそれしか出来ない現状も理解しているのだろう。
もはや、元老院はかつての抑止力はもっていない。ただの飾りであり、此処でどう議論を重ね決定を下しても、流れの前では無意味だと気づいている。
沙希は踵を返し、朱色の橋を渡って審議場を出た。
門を過ぎた廊下で、明るい色合いの短髪にアクセサリーをつけた派手な男が待っていた。
服装と違って、手には神聖な錫杖を持っている。
沙希に気づくと駆け足で近づいてきたが、沙希はさっさと門から離れたかったので足を動かしたまま耳を傾ける。


「賢者殿が、胸騒ぎがすると仰っとります。」
「動いたのよ。ヒモロギが招かれた。」
「ほな、あの迷い人の少年?」

 

沙希は何も言わなかったが、険しい横顔をみて、錫杖を持った男性―僧侶・橘左京は喉の奥で低く唸って険しい顔を作った。


「シンは微睡みに入っとります。神眠りの日も近いちゅうのに。」
「前例はなかったけど、人員不足を理由に実行部隊に入れた。元老院の許可も取った。」
「外に出してよろしいんどすか?」
「綴守にいれば地上人というだけで問題が置きかねない。真人に刃を向けた側が、どうなるかわからない。
そうなっては真人の立場は危なくなる。できるだけ、一般人として静かに暮らして欲しいの。
考仁の近くに置きます。」
「三神の御子がお守りするなら問題はあらへんやろう。」
「ええ。ですが、ずっと側に置くと怪しまれる。左京様にも協力してもらいます。」
「お任せを。」

 


早足で進み続ける沙希の顔を、背を丸めて覗き込む。


「本人には?」
「何も伝えない。その方がいい。」
「瑛人はんにも会わせへんと?」
「本人の希望だから。」
「・・・いずれ本人も向き合わなならん時が来ますえ。」
「わかってる。わかってるの・・・。」
「いらんこと申しました。それと、賢者殿が久我殿と会いたいと仰っとります。」
「久我さん、来てるのね。」
「高井はんに会いに来たところ、捕まったようで。今は綴守の会議室にいてはる。」
「少し話したら案内する。」
「ほな、支度をしときまひょ。」


綴守に戻り、一旦彼と別れると、5階の会議室に入った。
各組織の重鎮でないと使用も入室も許されない第三会議室。

壁に大きなモニターが貼り付けてあり、足が沈むほど立派な絨毯の上には楕円形の会議用テーブルが置かれている。
中では久我と篠之留が椅子に座って談笑していた。


「やあ、沙希。早かったね。審議会出席ご苦労さま。」
「久我さんを引き留めておいてくれたの、イツキさんだったのね。」
「高井にお土産届けてさっさと帰ろうとするからさ~。たまには俺らとも話してもらわないとねぇ。」


口角をつり上げて含んだ笑みをこぼす篠之留が、テーブルに肘をつく。

沙希が此方を振り返った久我の前に立つ。
額から左目にかけて走る古傷と、その奥にある双眸の険しさと慈愛を子供の頃からよく知っている。
移動民族六本鳶松の族長、久我は椅子に座ったまま沙希を見上げた。体格差がかなりあるので、座ってても目線はあまり変わらない。


「話しは聞いたぞ。ヒモロギが降りたそうだな。」
「これもシンの手招きでしょう。」
「俺は特別何をするつもりはないし、肩入れするつもりもない。六本鳶松は常に傍観し歴史を見守る。
だが、個人的にはお前達とも付き合いも長い。瑛人の弟ということなら、手助けすることもあるだろう。」
「助かります。」


扉が開き、和服を着た老齢の女性が入ってきた。
秘書が扉を閉めながら退出し、女性は一人久我の前に立つと頭を下げた。

 


「ご無沙汰いたしております、久我族長。迷子の救出や遭難者の送り届け、いつも助かっております。」
「水縹はどの集も穏やかで支援も快く引き受けてくれる。世話になっているのはこちらの方だ。」
「椛田さん。まだ審議会だったんじゃないんですか?」
「意味の無い無駄な時間を潰すより、実になる話をしにきました。」


辟易したため息をこぼしながら、和服の女性―水縹元老院議員であり一族の長、椛田常(はなだつね)も椅子に腰掛けた。
上品な見た目と仕草、小柄な体型の初老女性なのだが
顔を上げ目を開けた時の鋭い眼光に、だらりと椅子に座ってテーブルに肘をついていた篠之留は佇まいをただした。
沙希だけは椅子に座らず、立ったまま篠之留の隣に立つ。

 

「此処は正念場です。崩壊を受け入れ、愛する家族や守るべき民を見殺しにするわけにはいきません。
我が水縹一族に伝わる書物によれば、人間と神々はうまく生活出来ていた。人間は今ほど愚かでもなかった。
シンさえいなければ、あのまま地上で神々と寄り添って生きていたかもしれないのです。」
「マガツカミの肉体から放たれた厄災が蔓延したせいだとしてもか?」
「シンの柵がそうしたのです。神殺しになろうとも、私はシンを許しはしない。」

 

話し方も声も柔らかいのに、語られる言葉は非情である。
見た目とのギャップに篠之留は肩を振るわせた。
長年、元老院として水縹をまとめあげているだけはある
椛田の細い体から放出される見えないプレッシャーに空気が重く固くなるが、一間置いて久我が口を開いた。

 


「シンを倒す方法はない。神々でさえ、封じるので精一杯だった。」
「それでも、黙って滅ぼされるつもりはありません。」


久我がまっすぐと椛田を見つめた。
額から左目に走る傷が、久我の思慮深さと威厳を一層高めているようだった。
その視線を受け、椛田は笑ってみせた。

 


「ご安心を。怒りで目を曇らせているわけではございません。
まずは、目覚めの時までヒモロギをお守りします。それが水縹が与えられた密命。」
「・・・俺を呼んだ訳は?」

 


椛田が篠之留に目配せをすると、猫背の男は白衣の中から一冊の本を取り出した。
本というには古くさく、紙を紐でまとめただけのものだった。
表裏だけは分厚く立派な厚紙で作られており、達筆な文字が書かれている。
篠之留がそれを久我に手渡し、中身を確かめる。

 

「待鳥の集長が歴史研究家を使って集めさせたものです。無色のクロガネ氏からクイーンが譲り受け、許可を貰い貴方に見て貰うことにしたのです。」
「なぜ?」
「六本鳶松もご存じなのではないかと。神籬とはそもそも神を宿す依り代のこと。

神事の際、榊を使用していたので火群や梔子一族は今もサカキと呼んでいます。
帝一族は代々その依り代のお役目を担っていた。我ら神に仕えていた古い一族も依り代たる存在を守っていた。
だが、それは大衆を欺く口実であり、見せかけ。そうですね、久我族長。」


問いかけているわりに、言葉尻は強く確信していると言っているようなものだった。
久我は本のあるページを指でなぞりはじめた。
無骨な太い指で、羅列された文字を再びなぞる。
まるで遠く離れた子を思って写真を撫でる親のようである。

「六本鳶松の起源は地上だ。名乗りだし姿を見せるようになったのは天地平定後だが、歴史の影で全てを見続けてきた。神代の時代から。
真実を細かく分け、いつか一つにしその時が来たら当事者達の前に差し出すよう待鳥の初代長に告げたのも、我らの始祖。
今代の待鳥の長はよくやり遂げてくれた。」
「それもまた、先祖から語り継いでおります。六本鳶松―中央の神に仕え人間を束ねていた賢人。人間に区分を付け五大一族の始まりを作ったお方。
神々も頼りにしていた賢人を、金鵄(きんし)と呼んでいたとか。
金鵄の子孫である久我族長。その本は清野の口伝も含め全て揃っておりますが、最後のピースが足りておりません。
聞かせて下さいませ。この世界は、神に見放されたのですか。」

 


椛田から向けられる訴えに、久我が僅かに戸惑いを見せた。
口端を震わせたのを斜め後ろから伺っていた沙希は見逃さなかった。
神代の時代を生きていた人間達は、真実の歴史を口伝として大事に大事に語り継いできた。
それは神々との約束であり、大切な事実を子孫に伝えるため。
おいそれと他人に明かしてはならぬと、受け継いだ者はキツく言われ育っている。
だがもう時効であると久我も観念したのか、口を開いた。

 


「この世界が存在しているのは、シンビトが存在しているからだ。
シンビトは地上を穢すシンを払うため神が作ったが、シンの呪いで半分人間になってしまったためにヒモロギとなった。
だが神にとってはシンを退けるきっかけを作った大事な子でもある。
神々は天の世界でずっとシンビトの帰還を待っているのだ。
シンを抑えシンと共に封印されているマガツカミがシンビトを抱え天の国に帰るまでの猶予期間に過ぎない。
シンが目覚めればマガツカミも解放される。
その時シンが勝ちシンビトを手に入れ全て滅ぼすのか、マガツカミがシンの手をすり抜けシンビトを連れ天へ帰るのが先か。
どちらにせよ、もう人間が存続する道はない。
残るのはただ一人。シンビトである現ヒモロギのみ。帝一族の血を引く瑛人ですら、消えゆく定め。」

 

次に椛田が、膝の上に重ねた指を見下ろしながらゆっくり言葉を吐く。

 

「此処は神々の国。人間はその副産物で、此処はモラトリアムの世界。いざ真実を突きつけられると、さすがに辛いですね。」
「滅びの時をただ待つか?」
「フフフ。いえ、まさか。」

 


顔を上げた椛田の華やかな笑みに、篠之留が身震いしながら苦笑を漏らした。
急に目が合わされて、沙希もつま先を椛田に向けた。


「神が作っていない命なら、その命に逆らっても問題ございません。私たちは、また勝手にやらせていただきましょう。」
「頼もしい限りだ。」
「愚かとは、言わないのですか。」
「生きようとする本能が愚かな物か。」

 

椛田は満足そうに微笑んだ。
その時の笑顔だけは、心優しく慈愛に満ちた母のようであった。

 


扉を開けると、部屋主瑛人の他に考仁も来訪していた。
今はオフらしく、サングラスもしてないしコートも椅子にかけてあった。
瑛人はベッドの上で、膝を抱え座っている。


「瑛人から聞いた通りだったよ、久我さんの話。」
「父さんの言ってたこと、本当だったみたいだ。」


本当のこと言うこともあるんだね、と。
特に驚いた様子も無い素っ気ない声で呟いた。
最近色々ありすぎたせいで、また沈んでいる。
それを察して、考仁もそこにいるのだろう。
またあんなことをされては困る。


「真人は、兄を探しにきたと言っている。」


考仁の静かな言葉に、瑛人は反応しなかった。
マフラーとコートを脱いでベッドに腰掛ける。
此処で戦闘態勢でいる必要は無い。そう示すために。


「兄を探すために、自分で此処へ来たと。」
「俺は関わらない。兄だと名乗れば地上人かと疑われる。」
「瑛人、もういいじゃない。こうなったら、もう計画変更をしましょう。」
「やっと勝ち取った地位だ。綴守もここまで大きく出来た。此処で地盤が崩れれば守るものも守れない。」
「真人がすぐ近くにいるのよ。声も手も届く。ずっと待ってたじゃない。もう我慢しなくていいのよ。瑛人はずっと真人のために―。」
「ダメだ。こうなったら、なんとしてでも守り抜く。シンに一切触れさせてたまるか。」

 

固い声とこちらを見ようとはしない鋭利な瞳に、胸がざわついた。
他者を拒絶し殻に閉じこもるのは、瑛人の悪い癖だ。
心配性なのが、裏目に出てしまう。
今回の事態で一番混乱しているのは瑛人だ。それは周りが痛いほど理解している。
一番真人の元に行きたがってるはずの人が、此処で耐えている。
彼は頭が良い。何手先も未来を呼んでいるからこそ、感情を抑えた判断なのだろう。

 

「瑛人、」

 

こんな時、自分の言葉ベタが嫌になる。
瑛人を励ます言葉がすらすら出てきてさえくれれば―。
隣の瑛人の頭に、大きな手が乗った。
いつの間にやら立ち上がっていた考仁が、昔と同じように長男として弟の前に立っていた。


「それが正しい判断なら、俺は信じる。だが、無理をするな。辛いときは素直に言え。」
「っ・・・―」
「そうよ、瑛人。私たちは兄弟。家族なんだから。一緒に考えよう。」


瑛人は流れた涙を見せまいと俯いたが、私たちにはお見通しだった。
瑛人の背中を撫でてやる。
もう彼が馬鹿なことをしないように。
此処にまだ家族は残っていると、わからせなきゃならない。
彼が青い炎を使えるようになってしまったあの日を、繰り返してはならない。

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