2.魚の夢を見た-3
自転車を押しながら、横目で彼女を盗み見る。
艶のある長い黒髪、まつげの長い漆黒の瞳。別荘地帯にぴったりの白い清楚な服。
これから行くのは彼女の家。やましいことは考えてないが、胸が躍るのは仕方がない。
長いこと坂を上り、体力はあるが自転車を押しながらはそろそろキツなってきたころ、やっと彼女の家に着いた。
家というより、お屋敷だった。
森を切り抜いて立つ、純和風の平屋屋敷。
まず木で出来た荘厳な佇まいの門が出迎える。和風建築は詳しくないが、複雑で繊細な設計の元に建っていることは真人でもわかった。
門から玄関まで細い砂利道が続き、道の左右は丁寧に刈り込まれた松などが植えられた庭園が広がる。
自転車を玄関横に置くよう言われたが、こんな場所に使い古した汚い自転車を置いたら雰囲気ぶち壊しじゃなかろうか。
恐る恐る自転車を置く。
木の格子引き戸を開けた沙希に続き、玄関に入る。
板間がどこまでも続く廊下がまず出迎え、廊下の両脇にぎっしり襖が並んでいる。
少女がただいま、と声を掛けると、長い廊下の向こうから小走りで女性が出迎えにきた。
和服に前掛けをしたこの家にぴったりの大和撫子だ。
「沙希様、お帰りなさいませ。」
「ただいま。お友達の真人さん。こっちは世話係の穂のかさん。」
「いらっしゃいませ。」
「お邪魔します。」
髪の短い大和撫子は笑顔までおしとやかで、笑顔を向け深々お辞儀をされ唖然としてしまう。
様、と呼ばれているクラスメイトのお嬢様っぷりに面喰いつつしどろもどろになりながら軽く頭を下げる。
「お茶をお願い。」
「かしこまりました。」
沙希に続き廊下を進む。
と、襖も障子も無い部屋から、女性が声を掛けた。
戸口に短い暖簾がしてあるが、今は入りやすいように左右に縛ってまとめてあるので部屋の中が見えた。
真人の家と同じく、リビングダイニングのようである。
右奥に広い台所があり、大きな四角いテーブルが置いてある。
向こう側は障子が並んでいるが、この空間はデザインが洋風だ。
「お帰りなさい、沙希ちゃん。」
「ただいま。お友達連れてきた。」
「まあ!」
台所にいた女性が駆け寄ってきた。
沙希とところどころよく似た、小柄の女性だった。
肩につくかつかないかの短い茶髪はウェーブしていて、可愛らしい人だった。
沙希の母は、戸口の所に立ち会釈をする真人を見るなり、手に持っていたアンティークなポットを落としてしまった。
陶器のポットはカーペットではなく板間に当たり、簡単に砕けてしまった。
「お母さん!」
娘が叫んだのに一拍遅れて、母は真人から目を逸らし割れたポットに手を伸ばし始めた。
「やだわ、私ったら…。」
「奥様!私がやります。お手を切っては大変ですから。」
「沙希ちゃんが初めてお友達連れてきたって聞いて動揺しちゃったわ。しかも男の子なんですもの!」
「クラスメイトだよ。驚きすぎ。」
「おっちょこちょいでごめんなさいねー。」
後ろについてきていた穂のかさんが手際よくポットの欠片を集めていく。
どうしたらよいのかわからず立ちすくんでいた真人には、違和感があった。
沙希の母は、自分を見て驚いてポットを落とした。
娘が男を連れてきたという驚き方ではない。目を逸らすまで、怯えた目を向けられていたのだ。
まるで、幽霊でも見たかのように。
「沙希様、お茶とお菓子すぐお持ちいたしますので、お部屋の方に。」
「わかった。行こう。」
もう一度会釈をして沙希に続きその場を後にしたが、母親は決して顔を上げようとはしなかった。
ダイニングキッチンを過ぎを右に曲がると、先ほどの庭園が沿いの通路に続くようで
右手に庭を眺めながら板続きの広い屋敷を通る。
左手には襖がずらりと並んでいる。これが全部部屋だと思うと、この家には何部屋あるのか気になってくる。
やがて、突き当りにあった部屋の障子を沙希が開けた。
「此処、私の部屋。」
「お、お邪魔します・・・。」
先ほどと同じセリフを呟き敷居をまたぐ。
その障子だけデザインがレトロな格子柄になっており、和風とはいえ女の子の部屋らしい作りのようだ。
畳の間の中央に薄い水色のマッドが敷かれ、真ん丸のちゃぶ台がセットされている。
間に増し切りが置いてあるものの、20畳はあるだろうか。
家具が隅に置かれているだけなのでとても広い。
家具もまた年季の入ってそうな桐ダンスに、濃い茶の3段収納棚。
装飾が細かい引出が下に4つ付いたガラス扉の戸棚。壁掛けまで和風アンティーク調でお洒落だ。
こういう和風な小物やデザインが好きな人は歓喜するだろう。
部屋の奥の障子を開けに行っていた沙希が戻り、ちゃぶ台の隣に腰掛けるよう勧めてくれたので、肩に背負っていた鞄を外し腰を下ろした。
「障子開けたから、すぐに風が通る。」
「クーラーなくても十分涼しいね。」
「うん。此処は特に、風通しがいいの。」
先ほど入ってきた襖の向こうに、緑が茂る庭が一望できる。
枝垂れた葉の木や、紅葉、桜の木まである。
あの庭だけで四季が堪能できてしまいそうな造りだ。
あまり女の子の部屋をじろじろ見るのは悪いと思うが、どうしても見渡してしまう。
増し切りのデザインもまた大正モダンで、格子とダイヤ型が並んでいる。
部屋をしきる襖の上にある彫刻欄間も見事だ。木々と兎、と猫だろうか。
「お洒落な部屋だね。和風のインテリア店みたいだ。」
「お母さんの趣味。同じような部屋ばっかりでつまらないからって、知り合いのデザイナーさんに頼んでところどころ改築したの。」
床を擦る音が近づいてきて、世話係の大和撫子が盆を抱えてやってきた。
ちゃぶ台の前で丁寧に膝をおり、冷たい日本茶が入った湯呑をまず置いた。
青い花模様の茶碗はそこらのスーパーで売ってるものとは違い、どこかの焼き物じゃないだろうか。
茶托も高級そうなどっしりした雰囲気だ。よくわからないけど。
それから一口サイズの水羊羹とシロップ漬けされた甘夏みかんが一緒になった小皿が出された。
水羊羹は半透明なゼリーか寒天の中に餡子がつまった半円型。
最後にお茶のお変わりが入ったガラス容器を音も立てず置いた。
友人の家に遊びに来たとは思えない身分違いな待遇。何から何まで、背筋の伸びる思いだった。
一礼して去っていく世話係さんを見送る。
沙希が湯呑に手を伸ばしたので、真人も一言断ってから口をつけた。
実は喉がカラカラだったのだ。図書館を出て竹林を彷徨ってる間飲み物を口にしてなかった。
冷たい緑茶は体に染み渡るようだった。これもきっと高級に違いない。
湯呑を持ちながら、向かいに座る沙希を覗き見る。
茶碗のそこに手を添えながら品よくお茶を飲む姿は完璧お嬢様で、この屋敷にぴったりだ。
自分や、大多数の高校生がこんな和風屋敷に住んだら浮いてしまう。
学校にいる時、彼女だけ雰囲気が違ったのも、同世代がまだ捨てられない幼稚さを彼女は隠すか捨てるかしてあったのだろう。
お屋敷の中は静かだった。静か過ぎるぐらい。
聞こえるのは部屋を吹き抜けていく微風が葉っぱを揺らしこすれた時の音だけ。
今自分は女の子と二人きりだということを嫌でも意識してしまい、静寂が心臓の音で侵されてゆく。
そもそも、普段めったに喋らない友人と何を話せばいいのか。
頭をフルスロットルで回転させボキャブラリーの少ない引出を開けていく。
相手が緑延や他の女性徒だったらテレビやゲームの話などがすんなり出てくるのだが、目の前の彼女がそういう俗世の類を知って、なおかつ好んでいるかわからない。
真人は気づいた。
自分はまだ雨条沙希のことを何も知らないのだと。
「沙希は、夏休み予定あるの?」
「特に。」
「毎年どこか行ったりとかは?」
「ないわ。」
「そうか。」
「羊羹食べて、美味しいよ。」
会話が続かない気まずさを誤魔化すように小皿の小さい竹串を掴み、水羊羹を一口で放り込む。
餡子の甘さと寒天の触感と冷たさが絶妙だった。
「うまっ。」
「玉兎屋のご主人がお祖父ちゃんの友達で、毎年贈ってくれるの。」
「都会の有名和菓子屋じゃん!口に出来る日が来るなんて…」
「真人、甘いもの好き?」
「うん。実はスイーツ男子。」
「帰り少し持って行って。」
「こんな高価なものもらえないって。」
「毎年この水羊羹だから、1回食べたら満足しちゃって、結構余るの。よかったら。」
「そういう事なら、お言葉に甘えようかな。」
もう一つ水羊羹を食べる。やっぱりおいしい。
こんなおいしい羊羹食べたら母さん感激して泣いてしまうだろう。比喩だけど。
甘い味の後にフルーツのさっぱりした酸味で〆る。
なんて考えられた一皿なんだろう。
大満足でおやつを食べ終えると、沙希が空になった湯呑にお茶を注いでくれる。
「ありがとう。」
「真人は、すぐお礼を言える人ね。」
「しつこかった??」
「違う。素晴らしいと思う。」
ガラスのポットに手を添え、目を伏せられながら自然とほめられ、気恥ずかしくなって頬を掻く。
思いつきで、縁側に出てもいいかと問うと、頷いてくれた。
冷たい板の上に直に座り、沙希も隣に沿うよう正座して腰を下ろす。
青々とした庭。地面いっぱいに白い砂利が敷かれ、小さな池の上には蓮が咲いていた。
川辺にいるときのような、程よい涼しさが肌を優しく撫でるように染み渡っていく。
此処ではセミの声も遠く、今が夏真っ盛りだということを忘れてしまうほどのどかだった。
しばしの間、二人は言葉を交わさず庭を眺め続けた。
沙希にとっては毎日の変わらない光景であるはずなのだが、彼女もこの庭を気に入っていて、他人の隣にいるのに安らいでいる、そんな気がした。
心地よい静寂に乗せて、うぐいすの鳴き声みたいな優しい声で沙希が喋りだした。
「私ね、子供のころから変な夢ばかりみるの。」
「夢?」
随分突拍子もない話だったが、庭の雰囲気に心まで穏やかになっていた真人はすんなり受け止め首を回し、庭に目を向けたままの沙希を見る。
「種類は色々あるけど。不定期に繰り返し見るのは、誰かに起きろって怒られるの。自分の姿さえ見えない真っ暗な世界で、男か女かもわからない声だけがするの。目を覚ましなさい、目を覚ましなさいって、それだけ。」
「変だね。」
「うん。」
腕だけで体重を支えていたのを解き、あぐらをかきなおす。
「僕も今朝夢を見た気がするけど、起きたらすぐ忘れちゃったな。大体そんなもんじゃない?」
「みんな、そういう。夢とは忘れてしまうただの映像だって。でも、私は違う、と思うの。」
「どう違うの?」
「夢と現実が、いつもわからなくなる。すごくリアルで、目を覚ましても寝ていた感じがしない。夢は、私には記憶と一緒。」
沙希にふざけた様子は一切なく、庭を見る横顔は真摯であった。
当然といえば、当然か。
雨条沙希という人間は、嘘偽りを言うような子ではない。
「子供の頃みた怖い夢なんかは僕も覚えてる。でも、そういう類じゃなさそうだね。」
「こんな話知ってる?夢は、パラレルワールドの自分が見た記憶や体験で、もう一人の自分とつながってるの。」
話しながら、沙希がこちらを向いた。
真人が夢の話を馬鹿にしたり適当にあしらったりしていないのに気付いたのか、目が煌々と輝きだしたように見える。
「パラレルワールドって、選択しなかった世界、だっけ?平行世界とか、そういう。」
前にそういう題材を扱った漫画を読んだことがあった。
自分が選ばなかった選択の未来、世界が進まなかった先の世界。
それらは等しく同時に進行しており、現実世界と並行して存在している。
確かそんな感じだ。
「小学生の時、同級生ほぼ全員に聞きまわったの。夢ってどんなものか。自分の見ているものと同じなのか、違うのか知りたくて。おかげでおかしな子って言われ一人になっちゃったけど。」
「おかしくないよ。確かめる作業は大事だ。」
「ありがとう。でもおかげで、私の見ているものは皆と違うとわかった。みんなの夢は、曖昧で、内容が支離滅裂。統一せいも規則性もない、ふわふわした不確かな垂れ流された映像。」
「沙希のは、違う?」
「支離滅裂なのは一緒だけど、確実性はあると思う。脳の映像を取り出して見てもらえたらいいんだけど。」
「ハハハ。大丈夫、信じてるよ。」
少女は大きな瞳を数回瞬かせた。
信じる、というセリフが信じられないという風に。
真人はおしりだけ動かして体ごと少女に向き合った。
「心配なのは、夢という記憶を見ていてちゃんと脳が休めているか、だ。夢は脳の記憶整理をしている説があるってテレビで言ってたよ。寝ているのに疲れたりとか、してない?」
「大丈夫。」
「頭痛いとか、夢のせいで怖い思いしてるとか。」
「怖くはない。けど…何かを忘れている気がして、もどかしくはなる。」
板の間に一度目線を落とした沙希が、顔を上げる。
やはりいつもの無表情なのだが、その時すでに真人は、彼女の微妙な表情の違いに気づけるようになっていた。間近でこんなに話したからかもしれない。
戸惑いと、話をしてしまったことに対する後悔と、心から信じてもらえた安堵とうれしさ。
きっと彼女は感情が豊すぎて、複雑にからまったあげく表情を作るのがとても苦手なんだ、と真人は一人勝手に納得した。
当たらずも遠からず、だと自負している。
「ありがとう、信じてくれて。こんな話したの、家族以外で真人が初めて。」
「沙希もちゃんと、ありがとう言える子じゃないか。」
にっこりと真人が微笑むと、少女は恥ずかしそうにほんのり頬を染めた。
それからしばらく縁側で夢の話を聞いたり、日常会話を交わしたりしたが、空が橙色に変わり始めたのに気付いて真人はお暇することにした。
迷路のような通路を再び沙希の案内で辿っていく。
そういえば、長いこと話していたが人が誰も通ったりしなかった。
「この家って沙希の家族しか住んでないの?」
「うん。お手伝いさんは数人を除いて自宅に帰ってる。」
「ひぇー。じゃあこの部屋全部空き部屋?」
「そうそ。だからいつでも泊まりに来ていいんだよ~。」
角を曲がったら、戸口の柱に寄り掛かった男性がそう言って会話に入ってきた。
黒髪の若い男性で、口元に笑みを携えて手に紙の束を持っていた。書類か何かだろうか。
真人はすぐに気付いた。
この人が、沙希のお父さんだと。
黒曜石のような奥深い輝きをもった瞳が全くもって同じだった。30代前半にしか見えないが、実際もう少しいってるのだろうか。
とっくに緊張が和らいでいた真人は落ち着いた様子で頭を下げて挨拶をした。
「沙希がお友達連れてきたって都羽子が慌てて電話してきてさ。」
「お母さんは?」
「出かけたよ。買い物だと思うけど。」
「そう。」
柱に寄り掛かるのをやめた父親は、少し屈んで真人の顔を覗き込んだ。
間近でみると、生き写しのように沙希とそっくりの瞳だった。
沙希は全体的には母親似なのに、目元だけは面白いぐらい父親似だ。
「さっきも言ったけど、部屋はあるから泊まりにおいでよ。」
「それはさすがに…。」
「友達も連れてさ、合宿所みたいにしていいから。」
「はぁ。」
「お父さん。やめて。」
「父さんは本気だぞ?可愛い娘に彼氏が出来たなら、次は同性のお友達だろ。」
「彼氏じゃない。それに順番が逆。」
親子の会話に、沙希もつっこみを入れたりするのか、と新しい発見に驚く。
とにかく、仲がいいのはよくわかった。
今の発言はすべてからかっていただけらしく、軽く笑った父親は書類を丸めて肩をトントンたたき出した。
「車で送っていこうか、真人くん。」
「自転車できたんで。」
「俺の車チャリ積めるよ?」
「大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
「礼儀正しいいい子だねー。」
にこにこ笑った父親は、初対面の娘の友人の頭を遠慮なく撫で始めた。
さすがの真人もぎょっとして面喰ってしまう。
大人の男の人らしい、しなやかで逞しい手だった。
「私、麓まで送ってくるから。」
真人をむりやり父から引き離し、沙希はずんずんと廊下を進む。真人の腕を引っ張って。
後ろからクスクスと笑う声がした。
玄関口で世話係の穂のかさんに紙袋を渡された。
さっきの水羊羹だった。何度もお礼を述べて世話係さんに見送られ格子の扉を閉めた。
放置していた自転車のストッパーを足で外し、雨条の屋敷を後にした。
生い茂る木々のせいか、森の中の道はもう薄暗かった。
道も、気も、空もオレンジに浸食された夕方の世界を、並んで歩く。
「ごめんね。馴れ馴れしいお父さんで。」
「いやいや。」
「人をからかうのが大好きなの。」
「ハハハ。面白いな。」
先ほどの親子の会話を思い出して、真人は小さく自嘲の笑みを溢した。
「沙希のお父さんは優しそうでいいよな。話やすそうだし。」
「?真人のお父さんは、怖いの。」
「怖くはないけど、優しくもないかな。空気がさ、近寄りずらいんだよ。やたら突っかかってくるし。」
今朝のやり取りを思い出す。
沙希の父もあの父も、見た目は若く爽やかなのに、こうも印象が違うとは。
真人は父に、頭を撫でられた記憶なんてないのだ。
頭上の葉が減り、雨条家の敷地から別荘地に切り替わる合図の看板が見えた。
もうここで、と自転車にまたがり、お邪魔した礼などをいい沙希と別れた。
下り坂をスピードに任せて降りる。
昼間温められた生暖かい空気が高速で通り過ぎていく。
森を抜けた住宅街も、街も、海も、オレンジ一色だった。
西の太陽はもう沈み始めているが、最後のあがきとばかりに嫌な暑さで肌を焼いているようだった。
今度は海を左手にみながら、海沿いの道路を走り、沙希とメルアドの交換でもすればよかったと後悔した。
沙希が携帯を持っているかは謎だが、今日1日で大分親しくなったと思う。
どうして別れる時、次回会う約束をしなかったのかと自分を呪う程に。